GPnet2008年8月号



 特集 チームアプローチと看護職の取り組み
 チーム医療・ケアの考え方については、さまざまな文献等で紹介されている。それらの多くには、「それぞれのスタッフの専門性とアイデンティティを尊重する」ことの重要性が示されている。すなわち、医療・ケア従事者の専門性とアイデンティティは分け隔てなく尊重しなければ、よりよいチームアプローチは達成できない。しかし実際は、医師中心のチームが形成され、その医師の資質に依存するため本来のチーム医療が展開されない状況に陥る場合も出てくる。
 本来は、「患者を中心に据えて、周りを各職種が手を結びあっている」ことを確認することが大切である。この構図こそが、アイデンティティを尊重しながら患者を中心にしているという意味になる。チーム医療・ケアは、「患者の周りを囲んでいるチームがあって、囲んでいるメンバーの中の責任者が医師にすぎない」という簡単な構図から成り立っているのが本来の姿であろう。その中で、医師よりも日常的に患者に接し、患者の健康状態や精神状態、生活状況、そして、チーム内でのコーディネート、バランス感覚などは、看護師が最もよく把握している。看護師がそのチームのキーパーソンになることで、円滑なチームアプローチが可能となることは、医療・ケア現場で実証済みである。
 そこで今回の特集は、「チームアプローチと看護職の取り組み」をテーマに、それぞれの立場で、チームケアと看護の取り組みを紹介していただいた。        


特 集

チームアプローチと看護職の取り組み

1
特別養護老人ホームの取り組み─チームケアと看護職の役割り  
ユニットケアを導入したことで、担当者との馴染みの見守り援助の中で、認知症の方の徘徊が軽減し、抑制のない生活に    
社会福祉法人創友会 特別養護老人ホーム慈幸苑副施設長  宮本美枝子

2
社会福祉法人あと会の取り組み─チームアプローチを支える管理者としての看護師の役割  
「利用者に寄り添う介護」を実現するために取り組む5つの事業方針と、チームアプローチの核となる看護師の役割      
介護老人保健施設りは・くにくさ看護部長 藤原由美子、社会福祉法人あと会常務理事 横山輝代子

3    
療養病床での取り組み  
本当のチーム医療を実践する上で重要なことは、看護職は何をする職で、なぜ看護職になったのかを常に心すること     
医療法人渓仁会 定山渓病院看護部長 服部紀美子

4    
回復期リハビリテーション病院での取り組み─急性期病院との強力な連携  
患者中心とした速やかな医療センターとの連携の構築のために連携マニュアルを作成し、双方の共通認識を持つ    
船橋市立リハビリテーション病院チームマネジャー 松下明美

5    
訪問看護ステーションでの取り組み  
一例一例の事例の積み重ねが地域の中で風通しのよいチームをつくり、訪問看護の技が磨かれていく    
(株)ケアーズ 白十字訪問看護ステーション所長 秋山正子

6    
在宅ケアでの取り組み  
各職種は気づいた問題点を早い段階で解決したいと関わり、その調整を訪問看護師が行うことで利用者は安定    
熊本市医師会在宅ケアセンター訪問看護ステーション 宮川博子、北本明子

連 載

目くばり気くばり思いやり 安全・安心ケア                  
第41回 高齢者ケアの視点からみた転倒・転落事故対策                           
熊本大学医学部附属病院看護部 木村眞知子、弘 妙子、福丸優子、中田伸子                                                         

連 載

はじめよう介護予防プラクティス─運動器の介護予防の実際                  
第12回 介護予防と運動器の栄養      
川崎医療福祉大学臨床栄養学科教授 松枝秀二                      

連 載

岡田玲一郎のマネジメント論
第77回  医療惰民の教育が必要 
社会医療研究所所長 岡田玲一郎

リレー連載

リレーする善玉DNA 気分はホンネモード 第32回                       
医 師 亀田総合病院地域医療支援部長 小野沢 滋       
歯科医師 村内歯科医院院長 村内光一       
看 護 高齢者福祉総合施設ももやま副施設長 田中涼子       
リハビリテーション 菅間記念病院在宅総合ケアセンター長・理学療法士 金谷さとみ       
薬剤師 八戸の里病院薬剤科 上野山周雄       
管理栄養士 映寿会みらい病院 西川圭子       
ソーシャルワーカー 特定医療法人有恵会 有澤総合病院医療相談室室長 村島公義       
ケアマネジャー (医)徳洲会 八尾徳洲会介護センター 岡橋まさえ          

インタビュー

プロダクティブ・エイジングの旗手たち 
地域の急性期、維持期、在宅で他職種と連携して事業に取り組んでいきたい
NTT東日本関東病院リハビリテーション科部長 稲川利光                 

巻頭言

GPオピニオン  医療機関との連携─退院支援の取り組み   
(株)日本医療事務センター居宅介護支援事業所きらめいとケアプランセンター所長 柴山志穂美                      

情報欄

NEWSピックアップ 「骨太の方針2008」を閣議決定 社会保障費2,200億円削減は踏襲 他



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